産官学民で里山再生/東広島市「西条・山と水の環境機構」

2018.03.23
山のグラウンドワークで低木を除伐するボランティア参加者

東広島市の酒造協会関係者や大学関係者、市民などでつくる「西条・山と水の環境機構」は産官学民の連携で里山再生に取り組んでいます。酒造会社の売り上げの一部を基金として運営してきましたが、JA広島中央管内で減農薬栽培するブランド米「賀茂八十八(かもやそはち)」の売り上げが新たに加わりました。JAは地域の環境保全に寄与するとともに、米の品質向上につなげます。

 

同機構は、荒廃しつつある里山を修復し、水を守ることで美しい古里を次世代に残そうと、2001年に設立。酒の仕込みや米作りの水源となっている龍王山一帯を整備しています。

年間5回開く「山のグラウンドワーク」には、西条酒造協会、大学、西条農業高校、行政、企業、JA東広島市酒米栽培推進協議会、市民ら100~300人がボランティアで参加。草刈りや除伐の他、除伐材でチップや炭を作っています。

チップは米ぬかと合わせて堆肥にし、同協議会の酒造好適米「山田錦」の水田(約1㌶)に施しています。これまでのグラウンドワークで手入れした面積は延べ240㌶。下がっていた地下水位は森林が放置される前の水準に戻り、ミネラル成分も回復しているといいます。

1月に全農ひろしまとJA広島中央が商品化した「賀茂八十八」は、対象農薬を県基準から2割以上減らした「コシヒカリ」で、市内の集落営農法人が生産しています。酒以外の基金の拠出は初。

同機構の運営委員長を務める広島大学の中越信和名誉教授は「取り組みに米が加わったことで、機構のシンボルマークにある山、水、田んぼがつながった。循環型社会のモデルとし、保全活動が広めていきたい」と期待を込めます。