いまだ農地に深い爪痕/農事組合法人うやま

2020.06.23

2018年7月の西日本豪雨から2円を迎える中、東広島市の農事組合法人うやまの農地に深い爪痕が残っています。中山間地で営農する同法人は、米が作れない水田では、畑作に切り替えるな

被災後と変わらず、流木や土砂が残る農地を見詰める坂田組合長。中に入ることもできません

ど営農を続けるが、いまだ約10㌶で作付けが再開できず、経営を圧迫する。地域農業を守るためにも、法人関係者は早期復旧と対策を求めています。
同市河内町宇山地区は山間部の集落で、標高300~400㍍の傾斜地に1筆平均10㌃の水田400筆が広がります。条件不利地で地域農業を守るため、2010に法人を設立。30、40代の若手を雇用し、水稲と野菜の複合経営に奮起していうます。
西日本豪雨では、水路や農道、水田が破損するなど管理する40㌶のほぼ全てで被害を受けました。JA広島中央や全国のJAグループ支援隊などの協力で土砂撤去、水路復旧など可能な限りの手を尽くしました。水路が壊れた農地には2019年は大豆1.3㌶を新たに栽培。2020年は青ネギ1.7㌶も導入しました。水が確保できる農地は主食用米を植えましたが、流木や土砂がたまった水田約10㌶は作付けが再開できないままです。
獣害も深刻です。防護柵は全農地を囲う必要がありますが、集落の周囲を囲うだけで46㌔もあり、壊れた柵は計り知れません。2月にJAの支援で設置しましたが、追いつかず、作付けしても、イノシシや鹿が荒らし、収穫量に影響を及ぼしています。
2019年主食用米の売上高は、前年より約430万円減少し、法人設立から黒字だった経営は赤字に転落。2020年は青ネギの導入やアスパラガスの収量増など改善に取り組みますが、作付けできない期間の補償や対策はありません。
JAの高藤秀信常務は「管内でも典型的な条件不利な集落。営農意欲の減退も懸念され、農地が荒れると集落の存続すら危ぶまれてしまう」と危機感を募らせます。
市によると、復旧事業では、地区の河川や道路、農地をまとめた工事を計画し、2022年3月の工事完了を目指します。法人の坂田正広組合長は「地域農業を守るために設立した法人。できることは手を尽くし、何とか法人を存続したい」と訴えます。