域農業けん引30年/東広島市重兼農場

2019.12.02
創立30周年記念式典であいさつする山崎組合長

農事組合法人の先駆けとして知られる広島県東広島市の農事組合法人重兼農場が、創立30周年を迎えました。機械の共同利用、非主食用米への転換、スマート農業、若手への事業承継など、集落営農のモデルとなる取り組みで地域農業をけん引し、設立時から黒字経営を続けています。11月30日は行政やJA、農業関係者らを招いた記念式典を開きました。

同法人は、県内初の集落農場型の農業生産法人として1989年11月に設立。現在組合員30戸で約40㌶を経営しています。酒造好適米17㌶や飼料用米13㌶、小麦5㌶などを生産。2018年度の売上高は6400万円となりました。設立時から育苗を受託。2000年に「プール育苗」を本格導入して経営の柱とし、2019年には3万5000箱の実績があります。

同市高屋町が取り組む酒造好適米の生産を強化。2017年に主食用米の生産をやめ、作業効率と収益性の高い飼料用米との両立で経営を見直しました。

同法人を含む市内5法人で広域組織をつくり、田植え機やコンバインなどを共同利用することで機械導入の負担も軽減しています。2018年にはJA広島中央を加えた「ファームサポート広島中央」に会社化し、オペレーターを派遣する作業受託にも取り組んでいます。

世代交代で若返りも進めました。設立から法人を支えた本山博文さん(80)から、2018年に代表を山崎拓人さん(30)に引き継ぎました。20~40代の職員3人を雇用し、市内での受託栽培や、作業受託を拡大。ドローン(小型無人飛行機)による農薬散布では年間延べ300㌶を担います。

山崎さんと職員はJA青壮年連盟にも加入。若手農家との連携を強め、同連盟がブランド化に取り組むミニハクサイ「こまい菜」も2019年は1万株を作付け、産地化を後押しします。

山崎さんは「守りと攻めで経営のバランスを保ち、農地を守るという集落法人本来の目的を果たす。法人間連携を強化することで農業の維持・発展を図り、後世につなげていきたい」と次の30年へ意欲的です。