ドローン直播 普及へ/収量、コストを比較

2019.03.25

JA広島中央はドローン(小型無人飛行機)を使った水稲の直播(ちょくは)栽培の本格的な普及へ、栽培技術の確立に乗り出します。2019年度は、管内2戸の担い手がドローンによる散播を計画。JAの実証圃場では動力散布機を使った散播との比較実験で収量や品質などを調べ、普及可能な技術を目指します。

JAは2018年、農薬散布用ドローンを使い鉄コーティングした種もみの散播試験を2カ所で実施。20㌃で落水して「あきさかり」を10㌃当たり4㌔播種しましたが、まきむらで苗立ちが悪かった。反省を生かし、ドローンの噴出部にカバーを着け、種もみが適度に広がるように工夫。14㌃の水田をたん水し、「恋の予感」の種もみを10㌃当たり6㌔播種しました。作業時間は、移植機の6分の1、直播専用機の3分の1でした。

生育は順調で、種もみが多く密植で倒伏した箇所も見られましたが、分けつが盛んで株張りが良く、1本当たりのもみ数が「あきさかり」は、移植栽培の2倍の140粒と多かった。10㌃当たりの収量は、「あきさかり」は移植栽培と比べて120㌔少ない480㌔でしたが、「恋の予感」は同80㌔多い630㌔でした。

コンバインでの収穫は、全面刈りでも条刈りでも可能で、密植箇所は低速作業で対応可能でした。条播きではコンバインが土の上を走行しますが、ドローン散播では切り株の上を走ります。収穫前の長雨で土がぬかるんでいましたが、埋まることなく収穫できました。

JAは、2015年に乗用直播専用機を導入。ドローンは農薬散布用を2017年から導入し、7台を集落営農法人など担い手に貸し出しています。

水田に入らなくても田植えができる方法の一つとしてドローン散播の実証を開始。ドローンの活用法を広げ、中山間の条件不利をカバーしながら、新たな働き方の提案で、担い手確保につなげる考えです。

JA営農指導課の溝西優課長は「省力化技術を積極的に取り入れ、提案していくことで人手不足で悩む農業現場の問題解決につなげていきたい」と意欲を見せます。

2018年5月に行ったドローンによる水田への散播
種を散播するドローン